ニコニコ超会議にて考えさせられた、BtoB企業に最適なプロモーション手法について

ニコニコ超会議の会場内の様子

2024年4月末に千葉の幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議2024」に遊びに行ってきました。

ニコニコ超会議は、ニコニコ動画発のリアルイベント。10年以上続けられているイベントですが、今年初めて会場に足を運びました。

幕張メッセの展示ホール・イベントホールを全て貸し切って、普段はモニター越しに観ている様々なコンテンツが、いくつものステージやブースで披露され、さらに各ステージの様子はニコニコ生放送で実況されつつ、その画面がステージのスクリーンに映っているという、リアルとバーチャルの境界を行き来するような空間でした。

ニコニコ超会議のテーマは「ひとりのこらず主役」。実際、各ブースやステージに立つ多くの人は、事務所に所属している有名タレントではなく、ニコニコ動画の中で活躍する個人。ステージの中には「歌ってみた」のように実際に舞台に立てるものもあり、手の込んだコスプレで会場内を練り歩く人たちは注目の的ですが、その方々も入場券を買った人たちです。さらに、先に書いたようにステージのスクリーンにはニコニコ生放送が流れているので、おなじみの「弾幕(ユーザーの大量のコメントで画面が埋め尽くされる現象)」も起こりますから、会場に来られていない方でも出演できるわけです。「作り手」と「受け手」という違いがここまで曖昧になると、確かにみんな主役と言っても過言ではないかもしれません。わたしは中学生の娘を連れて遊びに行きましたが、その娘の作品が、とあるブースで販売されていたイラスト同人誌の1ページを飾っていたのですから、やはり彼女も「主役」だったのです。

個人のクリエイターが商品を売ったりパフォーマンスをするなど、インディペンデントな要素もかなり多い中で、企業が出展しているブースもたくさんありました。しかし来場者の反応を見ていると、企業向けのいつもの展示会と同じ調子で自分たちのアピールをしているブースは閑古鳥が鳴いており、超会議に集まった人たちの期待に応えている・楽しめる打ち出しが行われているブースに黒山の人だかりができている、という感じでした。

もちろんニコニコ超会議は主に企業ではなく個人に向けたエンタテインメントのイベントですから、そもそも企業がブースを設置して注目を集めるのはハードルが高いわけですが、しかし会場内を歩き回っていて思ったのは、超会議でなくても、やはりまずはどれだけ楽しんでもらえるかが、何より重要なのかもしれない、ということでした。

プロモーションやマーケティングの情報やトレンドを探していると、コンシューマ向けの一般消費財を売るための施策についてのコンテンツはいくらでも見つかるのですが、BtoBビジネスに関するノウハウはあまり見つかりません。しかし日本の企業のうち、BtoB企業は約8割ECでの市場規模はBtoCと比べて約20倍。なんだか矛盾しているような、需要と供給が噛み合っていないような気がします。

しかしこれは、BtoB企業であろうと、一旦BtoC企業と同じ土俵で勝負しなければいけないということなのではないか、と思ったのです。BtoB企業の方々は「わたしたちはBtoBだから……」とBtoC企業が行うプロモーション・マーケティング手法と分けて考えがちですが、興味を持ってもらう、認知してもらうためにできることは、実はBtoCと変わらないのではないでしょうか。

ニコニコ超会議は他にはない特殊な空間ですが、その根本には、案外普遍的な、本質を捉えたものがあるのではないか……と、いまだあの日の余韻を引きずりながら思いました。