「GAFAM」は終わり、これからは「MATANA」? それとも「一極支配の終焉」?

地球に都市のさまざまなモチーフがネットワークでつながっているイラスト

近年、「GAFA」または「GAFAM」という言葉で、世界の覇権を握る大企業として、Google、Amazon、Faebook、Apple、そしてMicrosoftの名前が挙げられます。Microsoftだけは、当初GAFAの4社と比べると勢いが落ちていたために注目されていませんでしたが、ここ数年の盛り返しで、Mを加えて呼ばれることも増えてきました。

しかし今、世界的な支配者となる企業の名前は、この5社ではなくなりつつあります。

FacebookはMetaと名前を変え、「これからはメタバースだ」と勢いこんでいますが、目立った成果は未だ出せずにいます。

Googleも一時期、生活のあらゆるものがGoogleに飲み込まれてしまうような、恐怖感を覚えるほどの支配力を見せていましたが、現在はあらゆるサービスにおいて競合からの突き上げに押されており、検索エンジンにおいては、若者の「検索離れ」と検索エンジンそのものの精度の低下、そしてCookieの利用制限による足枷など、今やマイナス要素ばかりになってしまっています。

最近になって「MATANA」と呼ばれる略称が登場し、Facebookが脱落し、Googleは親会社となるAlphabetに変更。Amazon、Apple、Microsoftは残り、新たにTESLA、NVIDIAが加わることになりました。

しかしそもそも「GAFA」という言葉は、Googleが検索エンジンを中心にネット世界を一極支配し、Amazonが「買い物」を一極支配し、FacebookがSNSを一極支配し、Appleがスマホを一極支配してきたことから「とどのつまり、世界を動かしているのはこの4社」だということから使われるようになりましたが、「GAFAM」、「MATANA」と企業数が徐々に増え、MATANAにMetaを含めた「M7(マグニフィセント・セブン)」という呼称も使われていたり(ご存じ、西部劇映画「荒野の七人」の原題です)、途中で「FAANG」(GAFAにNetflixを加えたもの)という言葉も生まれていたほど、世界の勢力図の変化のスピードはますます加速しており、毎日のように大きな変化が起こるAIや半導体市場を象徴するNVIDIAが、どこまで覇権を握られるのでしょうか。

スマホ市場におけるiPhoneのシェアは、日本でも50%を切っており、世界ではSamsungに抜かれて2位に後退しています。Amazonは大規模なレイオフ実店舗の閉鎖と、苦しい状況に置かれていることが漏れ聞こえてきます。今は生成AI分野では、Open AIを獲得したMicrosoftが一歩リードしている感がありますが、AlphaGoを開発したDeepMindがGoogleのAI部門と統合するなど、各社猛スピードでバージョン・アップを図っているので、勝負の行方は全くわかりません。

社会が、web3と言われるような、中央集権的なものではない分散型の組織に移行するにはまだ早い気はしますが、もしかすると、一極支配の終焉が徐々に進み、その先で、社会は「web3化」するのかもしれません。