デザインにかかる「お金」は、いくら?高い?安い?

黒い豚の貯金箱に、床に広がった小銭の一つを入れようとしている写真

先日、同業の方とお話しさせていただいた時に、「30年以上やってる老舗の会社だから、大きい仕事ばかりやってるのかと思ってました」と言われてしまい、こんな誤解をされていたのかと驚きました。同情を理由にお仕事をたくさんもらえるのでしたら、わたしたちの今月の売り上げ明細をお見せしたいぐらいです(笑)。

創業当初から今の今まで、多くの個人事業主の方々や中小・ベンチャー企業のみなさんに支えられながらここまでやってきた会社ですから、大小さまざま、主に小さな仕事を日々コツコツ積み上げているのが実情です。

わたしたちの仕事は、形のある商品や多人数に向けたサービスなどと違って、金額が明確ではありません。ひとつひとつ、お客さまのご要望に合わせて作るものです。だから、このような誤解を生んでしまったのだと思いますが、では、わたしたいのデザインという仕事の費用は、どこまで明確にできるものなのでしょうか。

「広告制作料金基準表」という本があります。わたしたち制作会社が、広告やパンフレット、映像などの販促ツールを制作する場合の金額の基準を測るために、全国の制作会社から集めたデータをもとに、見積り例が多数掲載されている本ですが、同じ商材でも値段はバラバラで、チラシひとつ取り上げても制作会社によって金額に2倍以上の開きがあるのは当たり前、ものによっては「ケタ違い」に差がある場合もあります。しかも、「〇〇円〜」と費用を確定せず、最低額として表記していたり、欄外に注釈という名の「言い訳」がたくさん書かれていたりするので、わたしたちも見積りを作る際に本書を参考にと目を通したものの、そっと本棚に戻してイチから自分で考え直すこともあります(苦笑)。

このように、デザインに関するコストについては、会社によって千差万別。高くつくのか安く済むのか、蓋を開けてみなければわからないのです。

大手のデザイン会社であれば、「〇〇円以下の仕事はお断り」とか、個人事業主の方のお仕事は受けられないというようなこともあるかもしれませんが、わたしたちは、そんなことはありません。お客さまの事情に寄り添い、ご用意いただける予算で最大の成果をご提供できるよう、一緒に考えさせていただきます。

わたしたちはお客さまからデザインのお仕事をいただいて初めて成立する会社です。そしてその対価を頂かなければ事業を継続できませんから、お金はとても大事です。しかし、わたしたちはなにより「楽しい」から、「好き」だからデザインを生業にしているので、時に利益を度外視して、がんばってしまうことがあります(これは意図せず発生するものです、決して強制しないでください・苦笑)。今までやったことのない新しいことに取り組む時、歯応えのある課題に立ち向かう時、思わず仕事を忘れて(?)燃えてしまう性質を持った生き物なのです。

もし「手伝って欲しいけど、予算がなあ……」「費用感がわからないと、聞きづらいなあ……」「高かったらやだなあ……」などお思いでしたら、まずは一度、ご相談ください。お話しさせていただくだけでも、きっと何かのお役に立てるはずです。