デザイン会社にコンペを依頼する時、提案依頼書を作れば成果が上がる!

「START」と書かれた石畳の上に靴が並ぶ写真

あなたの会社が、販促用のウェブサイトや動画、POPやチラシといった印刷物などの制作を社外のデザイン会社に発注する時、さまざまな視点から提案をしてもらいたいときは、数社に提案してもらう「コンペティション(コンペ)」を行うことになるでしょう。

しかし、コンペによって望みどおりのクオリティの提案をしてもらうためには「提案依頼書をしっかり作ること」を忘れてはなりません。提案依頼書の内容が抜け漏れなくまとまっていることで、本来デザイン制作に全力で挑むことができるので、その結果、ハイクオリティな提案を受け取ることができるのです。

では、「実効性の高いコンペ」を実行するために必要な提案依頼書とは、どのような依頼書でしょうか。業界・業種・依頼内容によって違いもありますが、以下に、提案依頼書に必要な項目について、まとめてみました。

⚫︎制作依頼の趣旨を伝える
提案を依頼するに至った経緯や目的・現状の課題などを理解してもらうための情報です。
経緯や目的を伝え忘れてしまうと、的外れな提案になりかねません。ですから、経緯や目的を伝えていない場合は、十中八九、デザイン会社から経緯や目的を訊かれるはずです。十中八九訊かれるということは、事前に提案依頼書に書いておけば、そのやり取りにかける無駄な時間を削ればデザイン提案に費やす時間も増えると言うことです。

⚫︎関連情報を共有しておく
制作物に関連する情報(例えば、競合他社のリスト、市場調査のデータ、参考商品やサイトなど)は、できるだけ共有しておきましょう。
なるべく事細かに伝えておいた方が、制作側の理解が深まり、提案の質は高まります。「客観的な視点から提案してほしいので、あえて詳しい説明は省きたい」とおっしゃる方がたまにいらっしゃいますが、どんなに詳しい説明を受けても、社外にいる時点で「客観的」ですから、社外秘でない限り、できるだけ情報はお渡しください。

⚫︎制作物の仕様を伝える
印刷物であればサイズ・枚数・紙の種類(決まっているなら)など、映像ならデータ形式やサイズ・秒数など。ウェブサイトであれば、全体のページ構成や契約サーバの環境、更新の有無や必要な機能(編集・投稿機能、検索機能、EC機能、アクセス解析機能、公開後のサポートなどなど)、など。
こちらも「制作依頼の趣旨」同様、十中八九、デザイン会社から経緯や目的を訊かれるはずですが、万が一漏れがあると、肝心なタイミングでトラブルになる恐れがあります(印刷するタイミングになって、希望していたサイズと違うサイズで作られていたことが判明する、など)ので、事前に伝えるようにしてください。

⚫︎提案における必須条件・要望を伝える
見積りであれば具体的な項目(すでに大まかな予算が決まっているならその額も)、デザインであればロゴマークなどデザイン上のルール、必要な提案のバリエーション数、デザインの完成度(完成形に近い形が必要かラフ程度で良いか)など、あなたの会社が理解しやすく、検討しやすい条件を決めてください。
ただし、提出期限まで時間がないのに要望ばかりが多いと、全体のクオリティが下がってしまったり、制作会社側が「この条件ではご提案ができない」とコンペを降りてしまう可能性もありますので、ご注意ください。

⚫︎質問の受付方法と回答日を伝える
受付方法は、メール本文で記載する形でも良いですが、多くの制作会社に声をかけていて、質問も多く来ると予想できるなら、解答欄のついた質問書のテンプレートを作り、そちらに記載したものを提出するようにした方が効率的な場合もあります。
回答はコンペ参加企業全てと共有することで、全社が同条件でご提案できますので、「それを知っていればもっといい提案ができたのに……」という機会損失を、制作会社もあなたの会社も起こさずに済みます。

⚫︎提出物の体裁を伝える
提案書の体裁(大きさやページ数など)を決めておいたほうが、比較検討しやすいでしょう。
もし、「制作会社の名前を伏せて、客観的に比較できるようにしたい」場合は、あらかじめ提案書のフォーマットを決めておき、制作会社名やロゴなどを入れないように指示すると良いでしょう。

⚫︎コンペのスケジュールを伝える
提出期限、プレゼンの日時、結果発表のタイミングを記しておきましょう。

⚫︎制作物のスケジュールを伝える
制作物はいつまでに必要か、店頭ポスターなどであれば掲出期間、期間限定のウェブサイトであれば運用期間なども、ご提案内容を左右する要因になりますので、事前に決めておきましょう。

以上です。これだけの情報が盛り込まれていれば、依頼書のフォーマットはなんでも良いです。依頼の方法も、メール添付でも本文記載でも、印刷したものを郵送するのでも、伝わりさえすれば問題はありません。これだけの依頼書を作られた時点で、制作会社にあなたの熱意が伝わります。制作会社は、クライアントに熱意があればあるほど、前のめりに取り組んでくれるのです

提案依頼書の配布は、合同説明会を開いて各社同時に行い、説明の後、その場で質疑応答を行う(後日質問も受け付ける)のが理想ですが、各社個別の配布・説明でも大丈夫です。ただその場合は、制作期間に差が出ると不公平になりますので、会社ごとにあまり日にちを空けず、できるだけ各社のスタート地点が揃うようにしてください。

「仕事を依頼する側が、こんなにめんどくさいことしなきゃいけないの?」と思われるかもしれませんが、コンペを実効性のあるものにするためには、どうしても必要な作業になりますし、これは、あなたの会社でなければ作れない資料なのです。ただし、あなたの会社のことをよく知っている、気心の知れた制作会社がいらっしゃるなら、コンペであっても相談に乗ってくれるとは思いますので、悩まれた時には意見を伺ってみるのも良いでしょう(わたしたちも過去に何度かお客さまからコンペについての質問を受けたことがあります)。

ぜひ、適切な提案依頼書を作って、あなたのコンペを成功させてください。コンペへのお誘いも、お待ちしております。

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