満員御礼!「“いい音”を聴こう!ピュアオーディオ視聴会・出張編 in 旧グッゲンハイム邸」レポート

寒波襲来!

2012年1月25日、数日前からの厳しい冷え込みに身を震わせながら、夕方17時に我々「“いい音”を聴こう!ピュアオーディオ視聴会」チームは、「グ音楽講座7 “いい音”を聴こう!ピュアオーディオ視聴会・出張編」の舞台・旧グッゲンハイム邸に到着。邸前にある小さな踏切を何度も往復しながら、この日のオーディオ機器を車から邸内に運び込みます(真空管剥き出しのパワーアンプを抱えて石段を上るのはなかなかスリリング……)。

旧グッゲンハイム邸は二部屋あり、音楽イベントの際は、玄関側の部屋は厨房のあるカフェスペース+客席、奥の部屋は演奏ステージ+客席、という感じなんですが、二つの部屋で音がかなり違っていたので、基本的に奥の部屋のみで音を聴いてもらうことにしました。

中に入ると荷解きをし、徐々にセッティング。オーディオラックを組み、スピーカーを配置し、アンプを置いて、ケーブルを配線します。

車の積載量の問題から試聴室にあるCDプレーヤーが持ち込めなかったので、急遽旧グにあるTASCAMのCD-RW700をお借りしました。

結構早めの時間に入って順調にセッティングも進んだので、結構余裕を持って始められるかな……と思っていたんですが、ターンテーブルのセッティングと最終的な音作りに意外に時間がかかり、気がつけば開場時間。特にスピーカーがなかなか思った音にならず、三浦社長も何度も試行錯誤。結局2時間たっぷりかかってしまいましたが、最終的にはいつものパワフルでダイナミックなA&Mサウンドに!

開場間もなくはなかなかお客さんも増えず、ちょっと心配になってしまいましたが、開演時間近くになると続々と増えてきて、最終的には30席ほど並べた奥の部屋の椅子は満席、急遽その後ろに数席並べるも立ち見が数名……という大盛況になりました!
旧グッゲンハイム邸管理人の森本アリさんによると、いつもの「グ音楽講座」だと、大体30人弱の集客ということだったので本当に嬉しい誤算だったんですが(でも、立ち見で聴いていただいた方には、MCも聴きづらく、音も前方と比べればかなり痩せた感じになってしまっていたと思います。ごめんなさい!)、下は20代前半から上は80歳(!)の方まで、幅広い層の方に来ていただけたのが幸いしたのかも知れません。

あと、若い女性の方が結構沢山来てくださったのにも驚きました。オーディオショウやオーディオファン向けの試聴会に来られるのはほとんど男性の方ばかりですが、この日は男女半々ぐらいの比率だったと思います。過去のピュアオーディオ視聴会で何度か女性の方をお招きしていたのが良かったんでしょうか。

さて、視聴会本編は、まず僕の方からこのイベントの経緯と機材についての簡単な説明(緊張し過ぎてしどろもどろになってしまいました……お恥ずかしい!)をさせていただいた後で、三浦社長からレコードをいくつかかけていただきました。

フランク・シナトラ「Sinatra at the Sands」、五輪真弓「恋人よ」、エリック・クラプトン「unplugged」カウント・ベイシー「Count Basie & the Kansas City 7」……と、いつもの視聴会でもお馴染みの名演・名録音たちです。

そして、後半はこの日のお楽しみ、皆さんがお持ちになってくださった音源を聴いていただくコーナーですが、何せ出張視聴会自体が初めての試みなので、どれぐらいお客さんが入るか、何人ぐらいが音源を持ってきてくださるのか見当がつかず、いざという時のためにこっそり自分のCDを持ってきていたんですが、

「持ってきてくださった方は……」

と訊いてみると、客席から数え切れない数の手が上がりました! もちろん僕のテンションも上がりました(笑)! 本当に嬉しかった!

まず最初は、「中古盤屋で買っただけやからよう分からん!」と出してくださった(笑)ビリー・ホリディ「Songs For Distingue Lovers」。1957年の録音で、日本では「アラバマに星落ちて」という邦題で売られていたレコードのモノラル盤。これで音が悪かろうはずは無いと思いますが、やはりとても生々しく、太く力強い音でした。

続いては、コウベレックスの善沢さんご夫婦(奥様が代表、旦那様がレコーディングエンジニア)が持ってきてくださった、ゲルハルト・ボッセ/神戸市室内合奏団「メンデルスゾーン:交響曲No.3「スコットランド」」。しかもラッカー盤(マスターテープからレコード溝をカッティングされた原盤。だからレーベルも付いてません)!
2マイクでの最新録音はとてもクリアで瑞々しく、部屋の中に音場感が広がっていきました。やはりエンジニアご本人にご自身の音源を聴いていただく、というのは、聴いていただくこちらもすごくわくわくしますね。音の良さを楽しんでいただけたようで嬉しいです。

クラシック音楽に続いて聴いていただいたのは、滋賀県より(!)お越し下さった、地元の「響」というオーディオルームで様々な試聴会を行っていらっしゃるという宇城さんがお持ちの、Radiohead「In Rainbows」のLPレコード。CDで聴いても、現代的な音の作り込みの好例と感じられる音でしたが、アナログ+ピュアオーディオシステムでの、音のスピード感とパンチ力はさすがです。

さて次は……と思っていたら、三浦社長が一番前の席にいたお客さんから既にレコードを借りていました。しかもそのお客さんはpopo/かきつばたの山本信記さん……!

持ってきてくださっていたのは古いハワイアンのレコードで、山本さんも「家で聴くのとは全然違います。ウクレレの音も生々しくて」と、楽しんでいただけたようでした。よかった……(笑)。

そして持ち込み音源試聴コーナーの最後は、森本アリさんから、Art Ensemble Of Chicago「The Spiritual」をお借りしてプレイ。実はこれがこの日、唯一のCDでした。アリさんからお借りしたプレーヤーでアリさんお持ちのCDだけをかけた、というのがなんとも……ですが(笑)。

そして最後の最後に三浦社長にエンディングテーマ的にかけていただいたのは、こちらも視聴会でおなじみ、美空ひばり「ひばり・いん・あめりか」より「マイ・ウェイ」。皆さんより暖かい拍手を頂き、マイクを持って司会進行している僕までリサイタル気分になってしまいました(笑)。皆さん、本当にありがとうございました!

終演後は、A&Mチームの終電の関係から、慌ただしく撤収開始。「Premium Studio Live」の際にお会いしたときにお誘いしていた西川文章さんも来られていました。
「これぐらいのオーディオで聴くと、デジタル録音かアナログ録音か、音だけで分かるもんやね」とのこと。やはりこういったエンジニア目線でのご意見は非常に興味深いです。

他にも会場には以前視聴会に来ていただいていた迎さん、キララさんも来られていて、厨房にはうどんを出されていた山路知恵子さんがいらっしゃったり(帰りにゆで麺を二玉頂きました。ありがとうございました!)山本さんがいて、勿論アリさんもいて……と、尊敬する音楽家の方が沢山いたのでなんとも恐れ多い気持ちになりましたが、夢のような場所での夢のような視聴会は、なんとか無事(多分……)やりとげることができました。

2年前にスタートした時は、試聴室にいる数名以外には全く誰にも理解されず、相手にもされなかったこのイベントですが、会場に来てくださった方の中には、密かに気にしてくださっていた方や、「高槻での視聴会はもうやらないんですか?」と訊いてくださる方もいらっしゃって、お配りしたアンケートの回答も、「思いが通じた!」と嬉しくなるような内容ばかりで、“いい音”の楽しさ、素晴らしさを信じて、ここまで続けてきて良かった……と心底思いました。

この日寒い中ご来場くださいました皆さん、気にかけてくださっていた皆さん(把握しているだけで10人くらいいらっしゃいます・笑)、そして素晴らしい場所をご用意いただいた旧グッゲンハイム邸の皆さん、本当にどうもありがとうございました!

最後に、この日のオーディオシステムをご紹介しておきます。

パワーアンプ:ATM-1S ×2
イコライザアンプ:ATE-2
アナログプレーヤー:T-01
プリアンプ:クボテックHDSA01
スピーカー:HSP2B06
CDプレーヤー:TASCAM CD-RW700

LOVE! MISORA HIBARI JAZZ & STANDARD COMPLETE COLLECTION 1955-66
LOVE! MISORA HIBARI JAZZ & STANDARD COMPLETE COLLECTION 1955-66 原信夫とシャープス&フラッツ 美空ひばり

コロムビアミュージックエンタテインメント 2005-07-20
売り上げランキング : 5510

Amazonで詳しく見る by G-Tools

いい音を楽しむオーディオBOOK (SEIBIDO MOOK)
いい音を楽しむオーディオBOOK (SEIBIDO MOOK) 上田 高志

成美堂出版 2011-12-02
売り上げランキング : 57320

Amazonで詳しく見る by G-Tools

Follow me!