「“いい音”を聴こう!ピュアオーディオ視聴会」始めます

その昔、まだ世の中にCDが無かったレコード全盛の時代、音楽を聴くための環境は今ほどカジュアルではありませんでした。
家でレコードをかけようと思えば、ターンテーブル、アンプ、スピーカーがそれぞれ必要で、アンプにもメインアンプ、プリアンプ、イコライザアンプと様々な種類があり、さらにそれぞれを繋げるケーブルも用意しなければいけません。「一体型のミニコンポ」や「CDラジカセ」、「ウォークマン」や「iPod」のように「これ一台あればすぐに音楽が聴ける」という代物は影も形も無かった時代の話です。

今も、そんな“複雑”なオーディオ製品は売られ続けています。世間的には、「ピュア・オーディオ」、「ハイエンド・オーディオ」などと言われる世界です。

一体型の製品もあるのにどうしてわざわざ?

それは、“音が良い”からです。

「“音が良い”って言ったって、私が聴いてるロックやポップスが良い音で鳴るの?」
「僕が使ってるiPodのヘッドホンはそこそこ高級なんだけど、それよりも良い音なの?」
「僕は音の良し悪しってあんまり分からないんだけど、そんな僕でも良さが分かるの?」

どの質問に対しても、僕の答えは”はい“です。

僕自身、普段はiPodでしか音楽を聴かないし、ピュアオーディオについて聞きかじった知識から「僕が普段聴いてる音楽はどんな高級なオーディオでかけても一緒だろう」と思っていました。

高槻の真空管アンプ・メーカー「A & M株式会社」の中にある視聴室で手持ちのCDをかけてもらった時に分かりました。それが間違いだったことを。

2本のスピーカーの間に立ち上る、立体的なバンドの姿。
太く、力強く響く中音域。
スタジオの様子があらわになるような生々しさ。
今まで、CDにこれほど沢山の情報が詰まっているとは思ってもみませんでした。CDってすごいじゃないか!

“音が良い”か否かは主観的な問題。音楽の良し悪しと録音や音響の良し悪しも別問題。
でもその議論は、この鳥肌の立つような、息を飲むような、のけぞるような音を聴いてからにしても良いのでは?

ところが、特に僕らの世代は、物心ついた時にはミニコンポやCDが存在し、“ピュアオーディオ”の世界は既に遥か遠く、“良い音”を選択する以前に、聴く機会 / 知る機会すらないのが現実です。事実、オーディオメーカーやソフトメーカーらが主催する視聴会のイベントに若者は集まりません。かけられるソースも、往年の名盤ばかり……。

細かいことはさておき、“良い音”から断絶された世代の人たちに、“ピュアオーディオ”の世界に触れてもらう方法は無いだろうか……。
そんな思いから、“ピュアオーディオ未体験世代”をターゲットにした「視聴会」を始めてみることにしました。

場所は、僕も聴かせてもらったA & M社の視聴室。
数十万〜数百万円(!)のオーディオ機器がずらりと並べられています。

ただ、視聴室に入られるのは数名程度とスペースが限られている上に、僕たちが急に視聴会を始めても、どれだけの人が集まってくれるか分からない……ということもあり、まずはスポークスマンとなっていただけそうな方にお声がけする「招待制」といたします。

第一回は5月23日に開催。
まず最初に視聴会にお越しいただく方は、

「キツネの嫁入り」

です!

京都を中心に活動する妖艶な音楽の語り部であるキツネの嫁入りの皆さんに、ピュア・オーディオの世界はどう映るのか……今からドキドキワクワクしています。

視聴会の様子などはこのブログでリポートさせていただきますので、どうぞお楽しみに。

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